マカニッキ

井戸端会議から世界情勢まで

翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~

Netflixで「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を鑑賞。今作は舞台が関西だというので、大阪人としては見ておかねばならぬ。

 

大阪都構想に敗れて、全国を植民地にしようとしている大阪府。そこに加担する神戸市と京都市。京都というのは、京都市以外は京都と認めない独特の差別意識があるので、京都市長が出て来るのはわかるが、兵庫はなぜ神戸市長が代表?まぁ、京都とは違って、神戸市でもないのに神戸と名乗る市民が多いけどね、兵庫県。うちの親戚にも「神戸のおじさん」がいたが、実際に住んでるところは西宮市だった。

 

大阪府を率いる知事を演じるのは片岡愛之助さん。神戸市長は藤原紀香さん。この二人は作中でも夫婦役。しかし、神戸市長は、川崎麻世さん演じる京都市長とデキている。なんちゅうキャスティングや。そして、滋賀県奈良県和歌山県は虐げられており、三重県は逃げ出したという設定。

 

埼玉解放戦線のリーダー(GACKT様)は、埼玉にビーチを作るために、和歌山の白浜で砂をゲットしようとしていた。しかし、訪れてみると、そこは大阪の植民地。白浜の砂を白くする能力を持つ和歌山の姫君も囚われており、その姫君を救おうとやってきたのが滋賀解放戦線のリーダー(杏さん)。この二人がタッグを組み、滋賀、奈良、和歌山を率いて、大阪に立ち向かう。大阪は謎の白い粉(コナモン)で国民を次々毒していき、GACKT様も杏さんも二階堂ふみさんまでもが大阪弁になっていく様は、妙に申し訳ない気持ちになった。GACKT様に至っては、乳首ドリルまでお付き合いくださるという・・・本当に申し訳ないw

 

滋賀解放戦線のメンバーは、滋賀出身の堀田真由さん、野性爆弾のくっきーさん、ダイアンの津田さんなどが出演。高橋メアリージュンさんも滋賀出身として重要なポスト。戦いは、お馴染みのご当地タレント披露対決から。滋賀は当然、次期知事候補の呼び声高い西川貴教さんを掲げる。対する大阪は、菅田将暉さん。ここ最近の大阪の「推し」だ。売れっ子俳優であり、テレビでも大阪弁を披露し、大阪エピソードもよく話し、オフの日に出身校を訪れたりと、郷土愛を感じさせてくれる人。神戸は北川景子さんと戸田恵梨香さんを出し、京都は・・・誰だっけ?それより、和歌山が藤原紀香さんを出してきて、一同「ん?」となるのだが、片岡愛之助さんの「こいつ、和歌山産やで」の投げやりな一言。西宮出身とされている藤原紀香さんだが、両親は和歌山の人で、紀の川の「紀」を取って「紀香」と名付けられたそうだ。和歌山のフルーツ大使も務めているので、紀香さん自身も和歌山への親しみは持っているのだろう。じゃないと、こういう演出もなかっただろうしね。田舎者が神戸ぶってるところがあぶり出されて笑える。

 

滋賀は大阪の独裁を止めるため、琵琶湖の水を止めるという必殺技を出す。滋賀県民が大阪や京都を脅す時に使う技だが、実際には琵琶湖は国の管理なので滋賀の一存では決められない。しかし、作中では滋賀は全土を水没させるという犠牲を払ってまで、琵琶湖の水を止める。なんだか悲しいよね・・・結局、琵琶湖の水を止めたら滋賀は水の底に沈むのかと思うと。

 

そんな感じで、近畿のパワーバランスを面白可笑しく描いた作品になっていた。劣勢になった大阪が、神戸と京都に対して「好きでもないのに仲良くしていた」と吐露する場面には吹き出した。神戸じゃなく兵庫県だったら、もっと面白かっただろうね。大阪と兵庫は長年にわたって仲が悪かったからね。大阪が維新政治になり、兵庫が斎藤知事になったことで、面白い時代が来ると思っていたところ、兵庫の老害達が未だに幅を効かせ、兵庫県政は闇を露呈し続けている。翔んで埼玉どころか、腐った兵庫・・・w

 

地方自治のあり方を考えさせられる映画だった。知らんけど。