Mrs. GREEN APPLEの新曲「コロンブス」のミュージックビデオが炎上している。生きた時代の異なる偉人達が一緒に旅をしたら?というテーマで、コロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンに扮したメンバーが、類人猿にピアノを教えたり、馬車を教えたり、人力車を引かせたりするシーンが問題となっている。先住民を猿のように表現し、奴隷商人だったコロンブスを讃えるような内容が差別的だというのだ。
歴史というのは、日々変化していて、習った時期によって知識がずいぶん違ったりする。コロンブスといえば、航海、大陸発見、コロンブスの卵ぐらいのイメージしか無いが、近年は人身売買、奴隷商人などの面がクローズアップされ、結構な悪人扱いになっているらしい。それをよく知らずにポップな映像にしちゃったのなら、それは謝罪するしかない。実際、当人達も事務所も謝罪はしているが、鎮火に至ってないようだが・・・
歴史や文化を熟知せずに、安易なイメージで勝手なコンテンツを作り上げることに対して、その土地の人間達が強く反発、抗議するのは当然のことである。そうすべきである。
日本人は、「アサシンクリード シャドウズ」に関して、国家的に抗議するべきじゃないのか!
アサシンクリードとは、フランスに拠点を構えるユービーアイソフトという会社が開発しているゲームで、過去に何作も発売している人気シリーズである。その新作が、日本を舞台にしたものになるということで、日本人のみならず世界中のファンが期待に胸踊らせたのだが・・・発売前に発表されたトレーラーを見る限り、とんでもないやらかし具合で大炎上している。
まず、主人公が黒人という驚き。開発会社は、史実に基づいたキャラだと謳っていて、織田信長に仕えた弥助という侍だと言っている。弥助という黒人は実在したとされているが、宣教師が連れてきた黒人を珍しがった織田信長が一時的にそばにおいていたという程度で、侍でもなんでもないらしい。
そのドレッドヘアの黒人侍・弥助が、ヒップホップをBGMに戦闘。振り回すのは棍棒。桜の下で田植えをする農民、その光景に「豊作」というセリフ。謎の季節に、道端で売られている柿。おかしな形の畳、柴犬だか秋田犬だかわからない変なサイズの犬、ゲートのように設置された鳥居、創作漢字、家紋の間違い・・・
トンデモ表現に対する指摘に、開発会社は「発売までに修正する」と言っているが、多少の修正を加えた程度ではどうにもならんレベル。日本人専門家と一緒に作ったと言っているが、子供でもおかしいと思うことに、専門家がなぜ気付かない。
日本では、ゲーマー界隈でしか盛り上がってないと思われるこの話題。テレビで取り上げられてるのも見ない。しかし、Mrs. GREEN APPLEのミュージックビデオ以上に、日本人はこちらをもっと抗議していくべきだと思うよ。戦国時代に黒人侍が活躍してたなんて事実を、他国が勝手に「史実」だと主張してるのだから。