パリ五輪、日本はメダルラッシュのようだ。その一方で、メダルを期待されながら惜しくも逃した人達もいる。柔道の阿部詩選手が2回戦で敗退し、号泣というか絶叫というか、随分取り乱した姿を見せていた。
阿部一二三選手、詩選手の兄妹は、「兄妹で金メダル」とか「兄妹で連覇」とか言われて、常にセットで注目されている。出身が神戸ということで、関西ローカルの番組でも二人の生い立ちなどが特集されることがある。兄に憧れて柔道を始めた妹、妹の才能を見守る兄。ストイックな兄と天真爛漫な妹。視聴者が望むのか、マスコミが望むのか、このステレオタイプな兄妹像。二人とも順調な時はいいが、片方がダメになると一気に「兄妹で◯◯」という目標がダメになるこの構図はどうかと思う。今回、詩選手が兄より先に敗退し、あの半狂乱だ。妹が負けただけで、「兄妹で連覇」が達成できなくなる。兄が勝ったとしても。なんだか、気の毒に思えてくる。
詩選手の絶叫には賛否両論。悔しい気持ち、無念な気持ちは理解できるし、涙が出ることも理解はできる。しかし、あの絶叫はない。自分の思い通りにならないことに苛立つ子供のような叫びだった。対戦相手は、詩選手をリスペクトしていて、勝利は嬉しいが感情をあらわにはしなかったと言っていた。それを聞くと、なおさら残念だ。
コーチや関係者は、あんな状態になっている彼女を、さっさと引き下がらせるとか、立ち上がらせるとかできなかったんだろうか。それとも、直近で構えるカメラにあえて見せつけたんだろうか。謎が残る。
兄の一二三選手は見事に金メダルを取り、観客席で詩選手も泣いていたが・・・一二三選手と交際が噂されているグラビアイドルも泣いていたのがシュール。
